7.11.1.1. ベイクパラメーター

ベイクパラメーターは、.scene ファイルとは別の .bp XML ファイルで指定されています。このファイルの形式は以下に説明されており、このファイルの完全な XML スキーマ定義は <Enlighten_install_directory>\Src\Samples\Libraries\GeoEn2Support\bp.xsd で確認できます。

<bakeParamsList>

ベイクパラメーターは、以下の属性を持つ <bakeParamsList> 要素に含める必要があります。

属性	選択性	説明	値
`version`	必須	ベイクパラメーターリストのバージョンです。	1
`albedoRendered`	オプション	アプリケーションが `EnlightenSystem`, または `BakeSystem` のどちらに基づきアルベドテクスチャをレンダリングすべきかを決定します。	`BakeSystems / EnlightenSystems` (デフォルト `BakeSystems`)
`enableDirectionality`	オプション	true の場合、ユーザーが指定する必要のある 3 つの追加の法線に対してディレクショナルライトマップを生成します。`.mesh` ファイルを使用している場合、これらのファイルは接空間情報を含んでいる必要があり、HLBS が標準の Half-Life 2 法線ベクトルを生成します。`.Pim` ファイルを使用している場合、各 `.pim` ファイルに対し 3 つの法線を持つ個別の `.normals` ファイルを生成する必要があります。	`false`

<bakeParams>

<bakeParams> 要素には、EnlightenBake API に渡されるパラメーターと、直接および間接光のベイク、ソルバーと AO 動作を制御するオプションの子要素がいくつか含まれています。

<bakeParams> 要素は以下の属性をサポートしています。

属性	選択性	説明	値
`name`	必須	ベイクパラメーターリストの名称です。	String
`resolution`	必須	作成後のベイクされたライトマップの解像度です。	2 要素の 2 の累乗ベクトル(`512 512` など)
`guid`	オプション	ベイクパラメーターリストの GUID です。	String
`pushOff`	オプション	レイキャスティングのプッシュオフです。Enlighten サポートのアドバイスがない限り、これを変更することはお勧めしません。	正の float
`packUVs`	オプション	各種インスタンスのライトマップ UV がパッキングされるかどうかを決定します。デフォルトで、インスタンスのチャート UV は変更されずにベイクステージに渡されます。`0--1` の範囲で重複する場合、結果のライトマップが不正確になります。`packUVs` を有効にすることにより、最初のステージではライトマップのインスタンスに対して有効な UV を生成します。これは続行する前に読み取り、アルベドテクスチャの生成に使用できます。	Boolean (デフォルトは `false`)
`outputType`	オプション	ベイク出力で求められるタイプです。出力は常に 2D テクスチャとして取得できます。vertex の場合、テクセルは頂点配列に対応します。	`texture / vertex` (デフォルトは `texture`)
`outputIsIntensity`	オプション	すべての入力イラディアンスの加重合計であるイラディアンスを出力するのではなく、ライトマップに強度値が含まれます。ベイクされたディレクショナルイラディアンスマップから取得できるライティングの主要な方向に光源を配置し、ライトマップに格納されている強度を使用すると、結果として得られるイラディアンスは Enlighten が通常出力する結果と同一になります。これにより、あらゆる種類の BRDF、特に鏡面反射性の高い BRDF を使用して簡単にサーフェスをリライティングできます。このモデルを使用するにはいくつかの注意事項があるため、スペキュラー BRDF を使用する際にはキューブマップを使うことをお勧めします。この機能を使用する場合は Enlighten サポートにお問い合わせください。	Boolean (デフォルトは `false`)
`shadowFaces`	オプション	非推奨：直接光のタスクでシャドウを落とすタイプのフェースです。このフラグは、ランタイムがシャドーマップを作成する方法を示します。これはマテリアル API の `shadowfaceBehaviourType` 属性に移行しました。新しい位置を使用してください。移行を補助するため、この設定は新しい位置での設定をオーバーライドします。	`back、front、both、bothWithInvalidBack、または useMaterialAPI` (デフォルトは `useMaterialAPI`)
backFaceTolerance	オプション	ベイクでピクセルを無効としてマークする際の許容値を設定します。挙動はラジオシティプリコンピュートの許容値と類似しています。	正の float
`enableFinalGather`	オプション	デフォルトのアップサンプリングの後に実行する高品質な処理後のステップとしてファイナルギャザーを有効にします。	Boolean (デフォルトは `true`)
`enableDirectionalIrradiance`	オプション	「True」の場合、法線マッピングされたジオメトリのリライティングに使用されるディレクショナルイラディアンスマップを生成します。	Boolean (デフォルトは `true`)
`enableLegacyRelighting`	オプション	非推奨：「true」の場合、Enlighten 3.02 までデフォルトだった以前のサーフェスリライティングモデルを使用します。新しいリライティングモデルの方が、ジオメトリは複雑になり、品質も高くなります。	Boolean (デフォルトは `false`)
`unitScale`	オプション	非推奨。効果はありません。	正の float
`mosaicResolution`	オプション	非推奨。効果はありません。	2 要素ベクトル

<bakeParams> 要素は以下の子要素をサポートします。

<direct>

これらのプロパティは直接光のベイクにのみ影響します。

属性	選択性	説明	値
`maxAASamples`	オプション	エイリアシングを低減するためにピクセルごとに取得するサンプル数です。これは、ライトマップピクセルをスーパーサンプリングする最大回数です。プレビューのベイクの場合は値 1 で十分ですが、出力にシャドウエッジがギザギザになることがあります。大半のエイリアシングの問題がデフォルト値で解消できます。ライトが多い大きなシーンの場合、この値を半分にするとベイク時間を半分に短縮できます。	正の integer (デフォルトは `8`)
`maxLightSamples`	オプション	ソフトシャドーイング効果をキャプチャするため、エリアごとのライトを取得するサンプル数です。エリア内のすべてのライトについて、追跡する光線の最大数です。より大きなエリアのライトの場合、ノイズのない出力を生成するために光線の数を増やす必要があります。デフォルト値は大半のシーン設定で機能しますが、ノイズが見られた場合はこの値を増やす必要があります。`maxAASamples` のようにパフォーマンスに大きな影響を与える場合があります。また、エリアのライトが多い大きなシーンの場合、この値を半分にするとベイク時間を半分に短縮できます。	正の integer (デフォルトは `64`)
`postProcessingFilterSize`	オプション	直接光のベイクをぼかすポストプロセスフィルターの半径のサイズ (ピクセル) です。このフィルターは、ジオメトリとピクセル間の可視性を認識しているため、ライトリークは発生しません。フィルターにより、エリアの光源を使用せずにくっきりとしたシャドウを滑らかにできます。一般的に、`2` から `8` の範囲の値で適切な結果が得られます。処理時間はフィルターサイズの 2 乗に比例するため、大きな値は避ける必要があります。	正の integer (デフォルトは `0`)
`tileCullingThreshold`	オプション	BakeVisibility のタイルカリングのしきい値です。内部での使用のみ。Enlighten サポートの助言を受けた場合にのみこのパラメーターを変更することをお勧めします。	正の float または `0`。(デフォルトは `0.001`)

<indirect>

これらのプロパティは間接光のベイクにのみ影響します。

属性	選択性	説明	値
`numProbeInterpolants`	オプション	間接光をプローブからライトマップに移す際、バウンディングボックスの角にプローブを補間するときに使用するプローブの最大数です。デフォルトの `8` で良好な結果が得られます。スパースプローブ、またはグリッドや単列に配置されたプローブを使用しているときは減らす必要がある場合があります。	正の integer (デフォルトは `8`)
`enableVisibilityAwareUpsampling`	オプション	可視性を考慮したアップサンプリングを有効にするかどうかを決定します。これによって、ラジオシティアップサンプリングがラジオシティサンプルのサンプルポイントとベイクされたライトマップのサンプルポイントの可視性を確実に受けるようになります。これにより、Enlighten では、サンプルが壁の反対側にあるラジオシティピクセルから、ベイクされたライトマップピクセルのサンプルポイントへの補間を防ぎます。この機能は、ライトマップがターゲットメッシュだけを含む場合にのみ有効にできます。たとえば、ディテールメッシュを含むライトマップで有効にした場合、機能は自動的に無効になり、警告が生成されます。	Boolean (デフォルトは `false`)
`finalGatherQuality`	オプション	ファイナルギャザーの際に各出力ピクセルで投射する光線の数です。	正の integer (デフォルトは `512`)
`finalGatherNumSamples`	オプション	ファイナルギャザーの際に各出力ピクセルで光線を投射するサンプルの数です。	正の integer (デフォルトは `16`)
`finalGatherTransparency`	オプション	ファイナルギャザーの際に透過の評価を有効にします。結果は、リアルタイム出力と異なる可能性があります。	Boolean (デフォルトは `true`)
`finalGatherPostFiltering`	オプション	ファイナルギャザーの後に実施し、ノイズを除去します。	Boolean (デフォルトは `true`)

<ao>

これらのプロパティはAO ベイクに影響します。

属性	選択性	説明	値
`distance`	オプション	オクルーダーを検出する距離です。この値は、ある点に対しオクルージョンが行われたとみなされる範囲の距離を設定します。半球にオクルージョンがないか検索した場合、この距離の範囲でジオメトリと交差するすべての光線は、この点の合計オクルージョン値に追加され、より暗く見えるようになります。シーンのサイズに基づきこのパラメーターを調整します。	正の float(デフォルトは `100`)
`quality`	オプション	AO の品質です (投射する光線の数)。光線が少ないと、よりノイズが多くなります。通常、光線が `256` で滑らかな結果が得られます。	Integer (`2` の累乗、最小 `16`、最大 `131072`)
`cullingThreshold`	オプション	AO ピクセルカリングのしきい値です。可視性がこの値よりも低い場合、ピクセルは拒否され、その代わりに近くの有効なピクセルから補間されます。AO の可視性は、ピクセルから見ることができる有効な (表向き) のジオメトリの比率であり、`0` は有効なジオメトリがまったく見えず、`1` は有効なジオメトリだけが見えたことを意味します。値 0 は、AO ピクセルカリングを無効にします。これは、AO における `backFaceTolerance` システムパラメーターに相当するものです。ある位置から見ることができる裏向きの三角の割合に基づき、AO 計算にその位置を含めるかどうかを決定します。値 `1.0` は、裏向きの三角が見える位置をすべて拒否することを示します。値 `0.0` は、その位置から裏向きの三角が見えるかどうかにかかわらず、すべて受け入れるということを示します。これらの両極の数字の間の値により、ある位置が間引かれるかどうかを決定する、その位置から見える裏向きのシーンの割合を指定します。	0% から 100% を示す、`0` から 1 の間の float (デフォルトは `0.9`)
`maxAASamples`	オプション	AO について、エイリアシングを除去するためにピクセルをスーパーサンプリングする回数の上限です。光線の数は AO の品質によってのみ定義されるため、この値を増やしてもベイクの時間は増えません。このパラメーターは、ベイクするピクセルでの光線の分配を効果的に制御します。	正の integer (デフォルトは `16`)。

<solver>

属性	選択性	説明	値
`forceWhiteAlbedo`	オプション	ラジオシティ計算に白のアルベドを使用するかどうかを決定します。通常、サーフェスのアルベドは提供されるアルベドテクスチャで定義されるか、テクスチャが見つからない場合は `0.7` になります。デバッグを目的として、このプロパティを設定して値を `1.0` に適用することができます。	Boolean (デフォルトは `false`)
`disableEmissive`	オプション	ラジオシティにエミッシブライトを使用するかどうかを決定します。このプロパティが設定されると、どのようなエミッシブテクスチャが指定されてもエミッシブサーフェスは存在しなくなります。	Boolean (デフォルトは `false`)

ベイクパラメーターファイル例

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<bakeParamsList version="1">
    <bakeParams name="Interior" resolution="512 512" unitScale="1.0" pushOff="10.0" packUVs="true">
        <direct maxAASamples="8" maxLightSamples="64"/>
        <ao quality="256" distance="500"/>
    </bakeParams>
</bakeParamsList>

7.11.1.1. ベイク パラメーター